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 ▼甘美なる地獄  薫 20/3/25(水) 19:45

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 ■題名 : 甘美なる地獄
 ■名前 : 薫
 ■日付 : 20/3/25(水) 19:45
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   いったい私はSMに対して何を求めているのか。思い悩む私は仕事の合間合間に空を仰いではそう問い続けました。すると突然雲間から顔を出した陽の光の煌きが私の額を熱く焼き、同時にある声が頭の中に聞こえました。「甘美なる地獄」そうです。それは太陽の声でした。

 地獄という言葉には何処か懐かしさを感じさせる響きがあります。それはきっと人類がまだ幼い頃、あの酷熱の熱帯地域に生息していたときの記憶がそうさせるのでしょう。更に甘美という響きは私にその熱帯の毒々しくも艶やかな原色の花々を思い起こさせました。それは花というよりは一つ一つが分厚い唇のような花々で、つまりは見る者を食べてしまうような恐ろしく蠱惑的な花々です。私はうっとりとしました。その幻影の花に私も心を奪われてしまったのです。同時に私は創りたいと思いました。己自らの手でその究極の花を創り出したい。私にとってSMとはその花を作りたいという事なのでした。
 もちろん、花とは女の事です。男なら誰もが振り返り更にはひれ伏し、その手練手管と至妙なる性技であらゆる男を魅了して食べてしまう魔性の雌。私の持ち得るすべての体力、知力、精を注ぎ込んで生み出される生きた芸術作品。私が求めているのはそれでした。ついには創造者である私さえも喰いかねない、あの地獄に咲く赤い花を私は創りたいのです。

 とはいえ、こういうものは私のような三十そこそこの浅学で経験も少ない者ではなく、もっと熟成された知性と教養と経験を持つ中年もしくは老年の紳士の方が腕が立つに違いありません。しかし私は彼らに負けないものを持っています。それは情熱、もはや渇望と見紛うあの赤い花への情熱です。太陽の陽に私は焼かれてしまったのです。もう少しも待てません。だからそんな私の抑え難い夢想に共感を抱いた方は是非ご連絡ください。私の記念すべき処女作になってください。共にあの甘美なる地獄へと堕ちていこうではありませんか。
 
 まずはメール調教から開始します。たとえば、女はトイレに行く毎にその便の色や形を私に報告しなければなりません。私はそれを赤いノート、彼女の飼育日記に書き付けます。一番恥ずかしいところを私に曝け出すのです。この飼育日記にはこの他にも日々の体重の推移、皮膚や髪の状態、自慰の回数など、その女の生態に関わる全てを書き付けます。私はその情報をもとに命令指導し彼女を私の理想の女へと作り替えていきます。これは飼育日記であるのと同時に制作日誌でもあるのです。

 自慰の回数と書きましたが、自慰行為は私によって当然管理されています。私がよしと言うまで彼女は何日もそれを我慢しなければなりません。反対に一度私が自慰を命令すれば何時間でも私がやめと言うまで彼女は自慰を続けなければなりません。更には苦痛、たとえば洗濯ばさみを彼女はその両の乳首に挟まなければなりません。私がやめと言うまでずっとです。或いは並々と水の入ったバケツを両手に持って何時間も立ってなくてはなりません。
 そうして飴と鞭、快楽と苦痛を巧みなバランスで与える事によって私は彼女をコントロール、新しい女、性を貪る事しか考える事の出来ない淫乱な雌の犬、更には男の性の捌け口の為だけに存在する卑猥な人形へと作り替えていきます。更にここから私の手自らによる調教が開始されるわけですが、まあ長くなるのでやめます。では。

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